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脇昌彦の水彩絵日記

折々に思い感じたことを記した絵日記

No.218 ワサビ談話

奥多摩渓谷
「奥多摩渓谷」 水彩 P15



 大昔にまだ小学校の息子二人を連れて、雲取山登山をした。車でお祭りまで行きそこから深い渓谷沿いの山道を遡って、途中のわずかな空き地に車を止めてそこから三条小屋に登った。そこに一泊して翌日雲取山の頂上を目指した。苦しい登りに下の子が音を上げてしまったけれど、私もそれを助ける余力がなかった。最後の急峻な登りで立ち往生をしていると、逞しい若い登山者が下の子供を負ぶってくれた。それでようやく登頂が出来たのだった。
 疲れた足を引きずって下山して、途中に置いた車で渓谷を伝って下に降りて行った。向こうから軽トラックが登ってきた。道が狭くすれ違いに難儀をした。車を降りて軽トラックの人と話をした。その谷に自生している野生のワサビを採取しているという。荷台に丸い葉をつけたワサビが無造作に投げ入れてある。別れ際にその数本を分けてくれた。帰宅して刺身を買って早速それを食べてみると、それほど辛くはなく香りが高く、甘みがあった。

 絵を描き始めて安曇野に行くようになって、名物のワサビやワサビ漬けを買ってきて食べる。だんだん舌が肥えて選り好みをするようになった。行くたびに店を変えて美味いものを探した。
 その後奥多摩にもワサビ専門店を見つけた。そこのワサビとワサビ漬けを買って食べた。その時ワサビは奥多摩の方が美味しいと思った。数十年前に食べた自生ワサビを思い出した。でもこれは栽培したワサビだ。
安曇野の大規模なワサビ田と違って、奥多摩は奥深い森に囲まれ小規模なワサビ田だった。それが味を良くしているのだろう。その後奥多摩に来る時は必ずワサビを買って帰るようになった。

 随分と以前に私の勤務している会社にインド人が数人実習に来ていた。その彼らの世話をしている人に聞いた話。
ある時そのインド人達から夕食に招待された。故郷から送って来た本場のカレーをご馳走するという。そのカレーはものすごく辛くて、口中が火傷をしたようにヒリヒリとして本当に閉口したという。
 別の日に彼らを招待してご馳走をすることにした。日本でしか味わえないものが良いだろうと、寿司屋に行った。ところがワサビ入りの握りを一口食べた途端に彼らは飛び上がって涙を流し、寿司を吐き出したという。仕方なく箸で丁寧に除いたけれど、そのわずかに残ったワサビもダメだったという。あの猛烈に辛いカレーを食べるのに、ワサビは全くダメらしい。
 ワサビの辛さは揮発性で舌先から一瞬鼻に抜ける。そして涙が出て来る。カレーの辛さとは全然違う。彼らが全く食べつけない辛さだったのだろう。

 思えばワサビは不思議な食べ物だ。強力な殺菌作用があるという。それで刺身や寿司には欠かせないものだという。








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脇 昌彦

Author:脇 昌彦
水彩画廊 suisaiga.jpを是非御覧ください。



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