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脇昌彦の水彩絵日記

折々に思い感じたことを記した絵日記

No.189 薬味

梅雨の鎌北湖  「梅雨の鎌北湖」水彩 F6



 蕎麦を食べると、必ず思い出す。学生の頃、信濃松川で工場実習をした。地元のそば屋で歓迎会をしてもらった。街の中の民家の畳の部屋に総勢5人でテーブルを囲んだ。幹事が
「今日は2升でお願いします」
と蕎麦の注文をした。酒を飲んで待つこと1時間ほどで、大皿に茹でたての蕎麦が山盛りになって来た。10種ほどの薬味が漆の容器に入っている。この蕎麦をつけ汁に多くの種類の薬味を入れて食べた。本当に美味かった。
 その時に蕎麦のうまさを知った。蕎麦そのものの美味さは地味な微妙なものだ。ほのかな香りと舌触り。つけ汁がものを言う。そして薬味が味を引き立てる。薬味が何だったかもう記憶にないが、白ネギ、青ネギ、七味唐辛子、胡麻、すりおろした山葵、山椒その他だったのだろう。

 ある日、自宅でそばの乾麺を茹でた。冷蔵庫を探してもネギがない。チューブ入りの山葵もない。ままよと買い置きのそばつゆを薄めてそれで食べたが、全く味気のないものだった。
 湯豆腐、冷や奴、うなぎの蒲焼きだって薬味が有ると無しでは大違いなのだ。しかし薬味はそのままは食べられない。酷く辛かったり生臭かったりする。
 ワサビは刺身や蕎麦には欠かせない。特に本物をすりおろすと甘みも香りも格別だ。安曇野にスケッチに行くと必ず買って帰る。奥多摩でも時々手に入れる。どちらかと言うと奥多摩の方が美味い気がする。山間部の小さな山葵田で作っているせいだろう。
 安曇野スケッチの帰りのバスで、大王ワサビ田のレストランのワサビ丼が美味かったと絵仲間が言う。彼曰く「ご飯の上におろしたワサビを載せて醤油をかけて、かき混ぜて食べた」という。早速自宅に帰っておろしたワサビを少し贅沢にしてやってみた。一口〜二口食べてあまりの辛さに吐き出して、水で口を洗ったが涙が止まらない。くしゃみも連発。ワサビの量が多すぎたのだ。
 世の中にも薬味がある。は勝負事やギャンブルだ。競輪、競馬、パチンコ、競艇。株や為替の売買もそうだろう。生活に変化を付け味わい深くする。しかし、薬味だからほんの少しで良いのだ。多すぎては料理も人生も台無しになってしまう。大量に薬味をかけた蕎麦は食べられない。どんぶりに七味唐辛子を盛って、蕎麦を少し乗せて食えますか?
 食ったら死にます。ワサビ丼もそうだ。

 昔知人が韓国駐在して4〜5年ぶりに帰国した。会社の食堂で並んでかけそばを食べた。ふと隣を見ると七味唐辛子を蕎麦が見えなくなるほどかけている。そうしないと食べた気がしないと言う。なれっこになっているらしい。
 薬味やギャンブルは、やりすぎるとだんだん麻痺して中毒になるらしい。ほんの少々が良いのだろう。






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脇 昌彦

Author:脇 昌彦
水彩画廊 suisaiga.jpを是非御覧ください。



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