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脇昌彦の水彩絵日記

折々に思い感じたことを記した絵日記

No.182 下仁田の不思議

下仁田街道晩夏「下仁田晩夏」F6 水彩


 在職中は軽井沢の先にある御代田町の子会社によく出張をした。当時は高速道路がなかったので国道254号を走って藤岡や富岡町を経由して下仁田を通り、和美峠を越えて軽井沢に抜けて行った。
 街道の途中に「大黒屋」と言うラーメン店が有り何度か立ち寄った。店内には所狭しと昭和の映画のポスターや手回し蓄音機や、金鳥蚊取り線香やスモカ歯磨粉の琺瑯製の看板が並べてある。山賊ラーメンが売り物だ。ここで初めて食用蛙の姿焼きを食べた。淡白で鶏肉のようだった。随分と昔なので記憶もあやふやだけれど、面白い店だった。
 和美峠に向かう道の両側には見上げるような奇岩が聳え、その山裾の傾斜地に昔ながらの民家があり素敵な光景だった。(今は道路は改修されてその頃の魅力はなくなっている)

 帰路は下仁田で蒟蒻と葱を買って帰った。家に帰ると早速スキ焼きにして食べた。下仁田葱は太くて煮ると柔らかくて美味い。この葱はこの地独特で、他の土地に移植しても次第に普通の葱になってしまうと言う。
また日本の蒟蒻の生産量の90%は下仁田産で、残る10%は赤城山麓だと言う。殆どが下仁田周辺で取れるそうだ。日本の山地ならば何処でも作れそうな気がするが、土地や風土のえり好みが激しいのだろうか。

 退職後も妙義山にスケッチに行くことが多いので、下仁田によく来る。高速の長野道が出来て近くなった。
街の周囲に幾つもの小山があり、どこからもよく見える。それがこの街に独特の雰囲気を作っている。調べてみると、地質学上でこの小山はクリッペと呼ばれ、下の地質と関係のない異質なものが地面の上に転がっているのだと言う。それが何処から来たものか全く判っていないらしい。雹のように空から降ったのか?
 また、山間部に風穴なるものが有る。山の麓の岩の隙間から一年中冷たい風が吹き出ている。明治時代にこれに小屋掛けをしてここで蚕種の保存をした。このお陰で何時でも蚕種の供給が出来るようになり、生産効率が大いに向上したと言う。大量の蚕種を預かり日本一の貯蔵量であったという。今は冷蔵庫に置き換わってしまったが、文化財として保存されている。この冷たい空気は山の頂上から割れ目を通って下に吹き出すのだろう。

 街道の奥の信州との境に独特の形をした荒船山がある。別名軍艦山と言う。いわゆるテーブルマウンテンだ。
昔にこの荒船山を描きに出かけた。旧道のトンネルの出口近くに唯一全貌が見える場所が有ると聞いていた。苦労して漸くその場所を探し当てたのだが、そそり立つ険しい山は逆光で真っ黒なシルエットであった。早朝でないと駄目だった。色付けは止めてP15号に木炭で描いた。

その日は街道を少し戻って、途中の静かで魅力的な旧街道をF6で描いた。下仁田街道は独特な雰囲気で、不思議なところだ。








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プロフィール

脇 昌彦

Author:脇 昌彦
水彩画廊 suisaiga.jpを是非御覧ください。



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