脇昌彦の水彩絵日記

折々に思い感じたことを記した絵日記

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No.99 岐路

バス停のある風景「バス停のある風景」F6


 学生の頃、同級生と丹沢縦走に出かけた。バスで西丹沢の玄倉に行き、そこから急な登山道を時々這いつくばるようにして、登って行った。地図を見ると、檜洞丸の頂上までの登山道は一本道であったから、テントの入った重いリュックを担いで、ただひたすら登った。1時間も登って一息をついて歩き出すとすぐに、登山道が二股に分岐していた。右に行くか左に行くか、相棒と相談したが纏まらなかった。道が笹に覆われている。時計を見ると予定より大分遅れている。侭よと左を登って行った。急な斜面を喘ぎ喘ぎ上り詰めて行くと、道らしきものは消えて、深い薮とその向こうの急な崖に突き当たった。その崖を回り込んで稜線に出る道を探したが、無駄であった。ひどく落胆したが、やむなく元の分岐点まで引き返す。大幅に時間をロスしていた。疲れが酷い。
 今度は右の道を登った。ようやく尾根道に辿り着いた頃には、日が落ちて暗くなってしまった。暗闇の中、懐中電灯を頼りに痩せ尾根を必死で歩き、漸くテントを張れる場所を見つけた。テントを張るのも容易ではなかったし、寝袋に入って間もなく雨が降り始めた。翌日の東丹沢の塔ヶ岳までの苦戦を想像すると、不安で暗澹たる気分であった。
 幸運にも翌朝雨は上っていた。それから疲れた体を鞭打って、なんとか無事縦走をして帰り着いた。
 
 その後この時のことは、折に触れて思い出す。就職、結婚、仕事の選択、退職は無論、些細なことにいたるまで、どれ一つとっても右か左か?常に選択を迫られている。岐路に佇んで、暫し迷って、そして「右か、左か?」と賽を投げる。
 しかし登山道と違って、どちらが良かったのか、今もって全く分からない。




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プロフィール

脇 昌彦

Author:脇 昌彦
水彩画廊 suisaiga.jpを是非御覧ください。



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